雑記帳

「GODOX TT685」の話

写真撮影を生業にしていると、出張先で商品や料理を撮る機会も多い。

こうした撮影では照明がほぼ必須で、ジェネレーターやモノブロックストロボのような比較的大きな機材を持ち込むこともある。一方で、撮影内容によっては、軽くて取り回しのいい小型ストロボのほうが便利だったりする。

出張撮影でよく使っているのが、GODOXの「Xpro」をトリガーにした「AD200 Pro」。
小型ながら十分な光量があり、ワイヤレスで扱えるため、かなり重宝している。
そして、さらに小さいストロボとして時折使うのが、同じGODOXのXシステムに対応した「TT685」である。

TT685はいわゆるクリップオンストロボ。カメラのホットシューに直接装着して普通のストロボとして使うこともできるし、Xシステムのトリガーとして使ったり、逆にワイヤレスで発光させたりもできる。
安価で、機能も多く、なかなか便利な機材だ。

ただし、このTT685。
少なくとも私の手元にある個体では、カメラへ直接装着すると少々クセがある。

まず、かなりしっかり奥まで差し込まないと、カメラ側がストロボを認識しない。「これ以上入らないだろう」と思ったところから、さらにグッと押し込むくらいの感覚である。
そして厄介なのが、完全に認識しないだけならまだ分かりやすいのだが、中途半端な位置でも発光自体はしてしまうことがある点だ。

シャッターを切れば光る。ところがTTLが利いていない。
撮影中に「なんだか露出がおかしい」と思って確認すると、実はストロボが正常に認識されていなかった、という、なんともいやらしい挙動をする。

最初は、シューへの差し込みも妙に硬かったため、使用していたα7RIIIとの相性問題かと思っていた。
ところが、TT685は手元に3台ある。
さらにカメラ側もα9、α7RIV、α7RVと試してみたが、傾向はほとんど変わらなかった。

ここまでくると、さすがにカメラ側の問題とは考えにくい。
少なくとも手元の個体を見る限りでは、GODOX側のシュー形状や接点位置に、少々シビアなところがあるのではないかと思っている。

もちろん、Xproからワイヤレスで使うぶんには特に困らない。
むしろGODOXのXシステムそのものは非常に便利で、AD200 ProもTT685も、オフカメラで使う機材としては今後も使い続けるつもりである。

問題は「カメラへ直付けして仕事で使う場合」だ。
撮影現場では、発光するかどうかだけではなく、TTLや通信が確実に機能していることのほうが重要だったりする。
そこで毎回「ちゃんと奥まで入っているかな」と確認するのも、あまり気持ちのいいものではない。

というわけで、クリップオンストロボをカメラへ直接装着して使うような撮影では、結局おとなしく純正のHVL-F60Mを使うことにした。
便利で安価な機材は好きなのだが、仕事道具に関しては、こういう小さな不安が最後まで残る。

そして結局、純正へ戻る。

Today’s Album
Artist: Art of Noise
Album: In no sense Nonsense!